福島の眼科医さんからのおたよりです。学会のたびに泊まってくださいます。
そのまま転載させていただきました。
<日々の新聞29年2月>
原発事故関連死・自殺・白血病・失明の増加
1月開催の日本眼科手術学会のシンポジウム「災害を語る」にシンポジストとして福島県の現状特に避難者と原発作業員の深刻な健康被害の内容を発表しました。
原発事故で避難後、病状悪化での死亡者は2016年3月時点で震災関連死2028人中67% 1368人で増加しており、宮城県920人、岩手県458人と比較して原発事故の影響が大であることを示しております。
震災関連自殺は3県で年間23名中福島県は19名で、原発事故による避難の長期化で家族離散、失職での生き甲斐喪失、市域社会の絆崩壊などで孤立を深めたりすることが要因となっております。
原発作業員に白血病が発症し労災認定されました。その根拠は作業中54mSv被曝し国の基準5mSv以上であったことです。他に11名の方も労災申請中です。国は5mSV以上で白血病発症を認めているのに、作業員の被曝基準を年間50mSv、5年で100mSvと高く設定しているのは、高線量下の作業継続を優先した結果であり、人命軽視の誹りを免れません。当院を受診した白内障検診者12名の被曝線量は50~120mSVですので今後多数の白血病発症が危惧されます。
最近、避難所を転々としたために継続した適切な治療が受けられず、失明された63才、87才の患者さんが受診されています。このような患者さんは他にも多数おりますので数字ではあらわすことが出来ない視覚障害患者にも目を向け続けていきたいと思います。