京都は、有名な観光スポットばかりじゃない。ちょっとしたところに、へえーっと思うような場所がいくつもある。百万遍crossから歩いて行ける、ちょっと通なところをご紹介。
●世界遺産 下鴨神社の摂社、河合神社
参道を進んでいくと、下鴨神社に着く前に、参道の西側に、美麗の神として信仰される河合神社があります。ご祭神には神武天皇の母、玉の様に美しいといわれる玉依姫命がお祀りされています。手鏡の形をした絵馬に、普段使用されている化粧品でメイクをして、裏に願いを書き、外見だけでなく内面も磨いて美しくなるという。
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」の「方丈記」を書いた鴨長明は、この河合神社の禰宜の息子として幼少時代を過ごした。長明が晩年過ごしたと言われる建物を再現した方丈の庵(いおり)も展示されている。
●石村亭
小説「細雪」で知られる、谷崎潤一郎がもっとも長く住んだ家。下鴨神社の東側にある。あちこちを転々とした彼はここで、7年を過ごした。簡素な趣のあるお屋敷は、趣のある広い庭に囲まれている。日新電気の管理。非公開。
●泉川亭
文豪、川端康成が住んだ泉川亭は、石村亭のすぐ北側。表示はあるもののこちらも非公開。
●清風荘
西園寺公望の別邸。小川治兵衛による日本庭園と「数寄屋造り」の主屋、茶室等の付属建物から成る。1944年に京都帝国大学へ寄贈され、2012年に主屋などの建造物12棟が重要文化財に指定された。
●梨木神社 染井の井戸
京都御所の東に隣接。御神水「染井」は京都三名水のひとつで、三名水の内いまだ枯れずに現存する唯一の名水。
●清荒神神社 護浄院(ごじょういん)
通称、清荒神(きよしこうじん)。かつて「京の七口」の一つだった「荒神口」という交差点から西に入ったところにあるお寺。本尊は清三宝大荒神(きよしさんぽうだいこうじん)という荒神様。仏の教えを守りながら不浄や災難を除去する神様で、神仏習合の名残から、お寺なのに神様を祀るという形が残っている。
不浄を嫌うことから火の神にあてられ、台所のかまどの神様として根強い信仰がある。また、台所を任されるのが主に女性であることから、安産、火難除けなどにも。
本尊に準じて祀られているのが、こちらも女性を守護の仏様で、准胝観音菩薩(じゅんていかんのんぼさつ)。子授けの観音様であり、女性の守り本尊でもある。
三宝荒神堂前には「無垢の井」という井戸があり、そこで湧く清水は「無垢の水」と呼ばれている。